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女性アーティストの作品を通して現代女性像を考える展覧会。

エキシビション「女 | 性 | 像」#1
『 5 o'clock in the moning 』


本展覧会は静岡在住の女性アーティスト5名によるグループ展です。それぞれはプロの芸術家を目指すもの、自分自身を確認する手段、あるいは日記のような営みとしてなど創作の動機付けは違いますが、確かな芸術活動を続けています。

女性は今、女性像をどう捉えているのかという素朴な疑問を作品を通して対話してみたいという想いからこの企画が生まれました。現代社会での女性の役割はとても多く複雑です。アーティストとして活動する5名の女性も生活者として様々な顔を持ちます。彼女たちが日常の中で何を感じ、それがどのような表象となって現れてくるのか、注意深く見つめてみたいと思います。

『 5 o'clock in the morning 』というタイトルには夜明けという意味として「女性のこれから」が示されています。それと同時に朝5時に台所で朝ご飯(あるいはお弁当)を作る母親的な女性の姿も重ねています。過去と未来の女性像を想起していただけるように名付けました。

展覧会を開催するにあたり、静岡大学で近現代文学の教鞭をとられている中村ともえ先生に多大なるご協力をいただきました。あらためて感謝申し上げます。

GALLERY UDONOS
オルタナティブスペース・スノドカフェ
代表 柚木康裕


[ 展覧会データ ]

参加アーティスト
・岩本ゆうな(写真)
・音羽晴佳(ミクストメディア)
・後藤和美(写真)
・寺田佳子(ドローイング)
・丸山成美(彫刻)

会期:2014年1月10日(金) - 1月27日(月)
時間:12:00 - 19:00
休廊日:火、水

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午後の茶話会(女子会的アーティストトーク)

(第一部)
「女 | 性 | 像 #1」参加作家5名によるアーティスト・トーク
司会:柚木康裕(オルタナティブスペース・スノドカフェ&GALLERY UDONOS代表)
(第二部)
午後の茶話会のために(近現代女性詩を通して)
ナビゲーター:中村ともえ(静岡大学准教授、近現代文学)

日時:2014年1月26日(日)14:00 - 16:30
参加無料・予約不要

<ご予約・お問い合わせ>
電話:054−346−7669(12:00-21:00)

岩本ゆうな IWAMOTO Yuna

写真

静岡市出身
ポートレートを中心に、フィルムカメラで"私写真"を撮り続け、写真家として活動中。

過去の展示
2012.1 個展「境界線」ギャラリーとりこ
2012.4 二人展「肖像」ギャラリーとりこ
2013.1 二人展「Down to the river」ギャラリーとりこ
2013.6 個展「Suffocate」ギャラリーとりこ

私にとって、写真を撮る行為は、自らの内面を切り取る行為です。
「女性像」というテーマにおいて、私自身の内なる多面性を切り取っています。妻であり、母であり、娘であり、そして単純に一人の女でもあるということを記録した写真です。選んだ被写体は、私にそれを感じさせる身近な男性たち。私自身がそこに「女性像」を見出しているのだと思います。

[ title ]
無題

[ material ]
白黒六つ切り(手焼きプリント)
カラー六つ切りワイド

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音羽晴佳 OTOWA Haruka

otowa01.jpgミクストメディア

1989年生まれ。
現代美術家。
女子美術大学絵画学科洋画専攻(油絵科)卒業。
女子美大を卒業後、静岡の実家に戻り自室をアトリエとして制作に励む。直近の個展では、親密な者との間にみる同一化や依存の関係、その境界をインスタレーションの手法で表現した。家族、檻、頭髪、ドレスなどのモチーフは「女性」であることの興味が色濃く反映されている。


主な展覧会
2008年 選抜学外展女子美スタイル☆最前線2008 (BankArt studio NYK/神奈川)
    女子美術短期大学部卒業制作展(卒業制作賞受賞)(杉並キャンパス
2009年 はみだしたいやき展 09(清水文化センター/静岡)
2010年 3人展(ターナーギャラリー/東京)
2011年 選抜学外展 女子美スタイル 最前線2010(BankartNYK/横浜)
    東京五美術大学連合卒業 修了制作展( 国立新美術館/東京)
    女子美術大学卒業制作展 (相模原キャンパス)
    はみだし’11 (清水文化センター/静岡)
2013年 正方形展2013 (アートスペース羅針盤/東京)
    NCC Shizuoka 2013 企画展公募EXHIBITIONS
     ∟ 個展 花嫁人形 (静岡市クリエーター支援センター/静岡)
2014年 女 | 性 | 像 #1 - 5 o'clock in the morning -(GALLERY UDONOS/静岡 )
    正方形展2014(アートスペース羅針盤 東京)
    思考を刷る(Gallery Pumpkin2 静岡)


展覧会によせて
音羽晴佳

『5 o’clock in the morning』という美しい展覧会名を聞いた時に 私は色んな立場の女性の朝を思い浮かべました。
朝の5時、誰かのお弁当を作っている。 パジャマにエプロン、静かで薄暗いキッチンに立つ女性。
朝の5時、ゴミを抱えて玄関を出る。 会社に向かう道すがら、コンビニで朝ごはんを選ぶ女性。
朝の5時、仕事帰りの電車に乗る。 子供を起こさないように、静かに化粧を落とす女性…
女性の社会進出が一般化した現在、女性の生き方は多様になりました。
しかしながら、女性1人1人がその人らしく生きるためには 超えなければならない壁が未だたくさん存在しています。
私は政治家ではないので、制度を変えるような大きな力はありませんが、個人の意識の湖に小さな石を落としてみる、
そんな、強くて、優しい力がアートにはあります。
時代は変化し、女たちの夜の時代は終わり、 朝の時代を迎えようとしています。

ー女たちの夜明け前ー
この夜明け前の時代を生きる女が何を想い、どんな風に生きたか、 作品を通して記録していけたらいいな、と思っています。
夜の時代を生きてきた女たちに、敬意を込めて。

artist interview 音羽晴佳インタビュー
展覧会を振り返りながら、制作のことなどをお聞きしました。

出展作品
[ title ] 夜明け前の標本「midori」
[ material ] アンティークロケット、銅板に写真製版、標本箱、虫眼鏡

[ title ] 夜明け前の標本「aiko」
[ material ] アンティークロケット、銅板に写真製版、標本箱、虫眼鏡

[ title ] 夜明け前の標本「yayoi」
[ material ] アンティークロケット、銅板に写真製版、標本箱、虫眼鏡

[ title ] “花嫁人形”のためのドローイング
[ material ] 紙、楽譜

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後藤和美  Goto Kazumi

写真

1988年大分県生まれ。
静岡大学人文学部経済学科
2009年より写真を始め、静岡を中心に作家活動を続けている。

[ 展覧会歴 ]
2010.8 二人展・生きている 朽ちている @cielo azul notebook
2011.1 個展・Melting Point @Mando
2011.10 グループ展・GALLERY PUMPKIN GROUP SHOW @ギャラリー濱村
2012.7 グループ展・アーティストのつくったバッグ展 @Happy Farm Gallery
2013.1 個展・息を吸って、とめて 吐いて @Happy Farm Gallery
2013.2 二人展・後藤和美、波多野里香二人展 @アートカゲヤマ
2013.10 個展・光を すくう @Mando

[ title ] in the forest
[ material ] 銀塩バライタプリント

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寺田佳子 Terada Yoshiko

ドローイング

1975 生まれ
1999 愛知教育大学教育学部総合科学課程総合造形コース卒業

[ 展覧会歴 ]
2010 静岡市クリエーター支援センターにて個展
2011 アートカゲヤマ画廊にて個展
2011 リサイクルブティックスノードール内xsギャラリーにて個展
2012 アートカゲヤマ画廊にて個展
2013 ボタニカ403号室スノド実験室にて個展
2013 遠州横須賀街道ちっちゃな文化展出品


女性をテーマにした展覧会に選んだ作品について
寺田佳子

作品は、女性的であること、さらに私にとっての理想の女性をイメージさせたものを選びました。

私は、日ごろ、見たもののなかから心に残ったものを無意識に画面に描くという方法で絵を描きます。

この2点もそのようにして描きました。

「まばゆい」は、心のなかで、真珠や、宝石、それに加えて肉体を空想して描いたような気がします。
きらびやかな装身具は、女性の憧れです。現代の日本では、普通、女性のみが身につけます。そのような女性特有のきらびやかさが肉体に溶け込み、一層の輝きを生じ、美しい笑みのように光っている様子を理想の女性と重ねました。

「ブローチ」は衝動的に描いた運動の跡と、植物と、花の三枚の絵を重ねています。
楕円運動の跡は、強い線により、鬱積した感情を表しているのかもしれません。しかし、植物を重ね、花を重ね合わせると、花が線でつながり、楽しげな花でできたブローチのように見えてきます。その負の感情からプラスへの転換が理想とする強い女性を思い出させました。

女性をテーマにした展覧会に出品するにあたり、自分だけでなく、他人(家族、同級生など身近な女性)の生き方を振り返りました。

それぞれに、苦労しながらも、明るく楽しく生きています。他人の目からかもしれないが、幸福であるように見えます。それは、彼女たちが前向きに生きているからではないでしょうか。

今回、理想の美しい女性、前向きな女性のイメージを追うことによって、自分自身も理想に近づければと思いました。

[ title ] まばゆい(左)
[ material ] トレーシングペーパー、鉛筆

[ title ] ブローチ(右)
[ material ] トレーシングペーパー、鉛筆

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丸山成美 Maruyama Narumi

彫刻

静岡市在住。静岡大学教育学部卒業後、県立美術館エデュケーションスタッフ、助手として働きながら作品制作に取り組む。
祖父が植えた桐の木の倒木を木材に人を彫ったことをきっかけに木彫をあじめる。こどもや妊婦など人の形をモチーフに制作している。

[ 展覧会歴 ]
2010 105人の時間展 @ グランシップ(静岡市)
2011 初個展 little world 展 @ atelier brahma(静岡市)
2011 ヨアケ3人展 @ Gallery ヨアケ


「 LITTLE WORLD」
丸山成美

祖父と祖母の山には、大きな桐の木が生えています。三年前に木彫をはじめたきっかけは、その木との出会いでした。

祖父も祖母も亡くなり、農業を継ぐ人もなく、果樹園や畑は荒れ果てました。
私は父に連れられ、何度か山に入り、竹や伸びすぎた杉の木の間伐作業などを手伝いました。
桐の木は、その時に見つけました。台風で枝が折れて落ちていました。

桐の木は、娘や孫たちが嫁にいく時に、桐箪笥を嫁入り道具として持っていけるようにと祖父が植えたのではないだろうかと父は言っていました。
祖父の届かなかった思いを、なにか形にしたいと思いました。
私はその木を持ち帰り、その枝から人を彫り出しました。

山や森は不思議です。
同じような木ばかりだと森は死にます。森が死ぬと海が死にます。
雑木林はそれぞれの木がそれぞれを活かしあって生きています。
荒れた森は、生きているようで死んでいる時もあります。

山の中にいると、いろいろな命がひしめき合っているのを感じます。
命は膨らんで始まり、死に、また巡って行きます。
途方もない命の形を、木彫という手段で探しています。

[ title ] LITTLE WORLD
[ material ] 桐 楠 桜

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